中国の食の問題はしみじみネタにつきないが、思えば観光地の怪しげな露店売り食品はずっと以前からあった。
それがいまさらあれこれと指摘され、また次から次へと食の問題が出てくるというのは、逆に中国がそれだけ「潔癖」になったということかと、あまのじゃく的に思ってしまう。
楽天が百度と組んで展開していたネットショッピングモール「楽酷天」が5月末でサービスを終了する。
いろいろな原因はあるだろうが、楽天が身を投じた中国のEC業界は、それはもう過酷なバブルの真っただ中にある。
中国で「団購」と総称されるグル―ポン的共同購入サイトなどはその最たるもので、2011年末までに全国に誕生した団購サイトは5877件、このうち3265件が2011年に生まれたものだが、年末までに1968件のサイトがあえなく倒産したという。
ショッピングサイトはそこまで極端ではないものの、資金をジャブジャブ投入、果てしない安売り合戦を展開しており、例えば大手の「京東」と「当当」は昨年、それぞれのCEOがウェイボーで、「赤字覚悟の安売りで相手をたたき続ける!」とやりあいニュースにまでなった。
今年のゴールデンウィーク前には大手家電量販店「蘇寧」ネットショッピングサイト「蘇寧易購」が10億元(1元=約13円)分の特価品大放出を打ち出せば、独立系ネットショッピングサイト最大手の「京東」が全商品の値下げを宣言、老舗の「当当」は競合の最安値との差額を返還、外資で健闘中の「アマゾン」はタイムセールなどと、やはり仁義なき値引き合戦を展開していた。
さらにゴールデンウィーク明けにはモール型ショッピングサイト最大手で真打ちの「タオバオモール(現・天猫)」が2億元を投じた商品値下げキャンペーンを宣言すると、たちまち「京東」が5億元を投じる同様の安売りキャンペーンを発表。
この「京東」、去年4月にCEOがウェイボーで15億ドル(!)の融資を受けたことをつぶやいていたが、昨年の損失額は12億元にのぼるという。
また先日も資金繰りがたちゆかなくなりそうだなどという話が伝えられている。
そんな中で、楽天の「楽酷天」への出資額は8億6000万円。
これはもう撤退以外にどんな道があったのか、と思ってしまう。
※「日経デジタルマーケティング」の関連記事執筆に参加しました。
(といっても会員限定サイトなのですが……)
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_153022_2052_3
中国には「王老吉(ワンラオジー)」という国民的健康ドリンクがある。
甘ったるい漢方くさい飲み物なのだが、辛いものや脂っこいものを食べた後、「上火(中国医学用語でのぼせること)」するのを防ぐために飲む涼茶の一種、ルーツは清朝にまでさかのぼるという。
このところ、この「王老吉」のブランド名を巡る紛糾がもりあがっていた。
実は「王老吉」には赤い缶入りのものと、緑の紙パックのものとがある。
赤い缶入りのほうがCMもバンバン流して有名なのだが、実は本家は緑の紙パックで、赤い缶入りのほうは香港の会社が本家の広薬集団から商標権を得て販売しているものだった。
問題は、本家の広薬集団のもと社長が、香港企業との契約時、多額の賄賂を得て、「王老吉」ブランドの使用権を安売りしていたこと。
このもと社長は2005年逮捕され、無期懲役をうけたが、昨年になり広薬集団が「王老吉」のブランドには1000億の価値がある!と言いだし、このたびの騒動となった。
その後、赤い缶の「王老吉」は同ブランド名を放棄、「加多宝」と名前をかえて、現在、「加多宝」でバンバンCMを打っている。
また新浪網のネットアンケートで、「今後、緑パックの「王老吉」と「加多宝」のどちらを飲む?」と問うたところ、「加多宝」63%、「王老吉」は28%。
赤い缶の「王老吉」は、結局、名前が変わっても、すでに打ちたてたブランド力はそうそうかわらないようである。
商標問題という中国でよくあるトラブルの、ちょっと変わった騒動であった。
実はこの評価、店にとっては非常に重要なもので、評価が低いと客が集まらないばかりではなく、出店を取り消される場合もあると聞く。
中には不正な手段で、信用を高くみせているショップもあるが、すべての店が必ずしもそうというわけでは全くない。
このため、商品に問題があるのに交換に応じないなどの問題で、低い評価をつけると、それはもううざいぐらいに電話がかかってきて、長い口上を聞かされることになる。
それでも私はそんなにトラブルになったことはないのだが、先日の報道では、最悪評価をつけられた店が、腹いせで、客に死に装束を送りつけたということがあったという。
特に商品の送付先を自宅にしておくと、万一、店とトラブルになった場合、こんな面倒をかかえることになりかねない。
もっとも店側は店側で、客の中には店の信用を落とすために、わざわざ買い物をして最悪評価をつける「プロ」もいるので、油断がならない。
店も客もどちらも信用ならないのはいまにはじまったことではないけれど、買い物1つで、どうしてこんなに緊張感が漂うのか。 いまさらながら理不尽な社会である。
両者の関係はしばらく硬直していたが、このたび中国側が2カ月の休漁期間を設けることを宣言。続いてフィリピン側も同様に休漁を宣言し、ひとまず休戦とあいなった。
これについて、中国外交部のスポークスマンいわく「休漁は事件とはまったく関係なく、海洋生物資源保護のため。中国はフィリピンが我が国の領土主権を切実に尊重することを求めます」。
休漁が事件と無関係とは、だれもまったく思ってもいないだろうが、そんなことはみじんもにじませず、「事件と無関係!」といいきる外交部のスポークスマンにいつもながらしみじみ敬服してしまう。
しかも現金が手に入る。
私がよく持ち込むところでは、500グラム1元(約13円)とそれなりのカネになる。
あるとき、ペットの糞尿で汚れた新聞5〜6枚を回収には出さず、外のゴミ捨て場に捨てようとしたときのこと。
ちょうどゴミ掃除のおばさんがいて、「あ、それ、中に新聞ある?」と呼びとめられた。
「ありますけど、ペットの糞で相当きたないですが」と言うと、おばさんは「新聞頂戴」と全く気にした風ではなく、私が返事をする前に、ゴミ袋に手を突っ込んで、汚れた新聞紙を回収していった。
たぶんそれを換金して得られる現金は1円にも満たないだろう。
それでもゴミ掃除のおばさんにとって、それでも糞尿まみれの新聞に価値があるということに、この国の「底」の入口を見るようである。
ごちゃごちゃとした路地を入っていくと、いきなりどんと開けたスペースがあり、そここが農業市場となっている。
雑貨や洋服、香辛料、卵や豆腐、肉魚類、野菜や果物の小さなブースが100以上は集まっているだろうか。
その中に、他の店には置いていないいろいろな種類の葉物野菜をあつかっている店がある。そこで毎回、野菜を大量に買い込んでいるのだが、あるとき、あとから追加で買った青梗菜を、自転車のかごに入れたつもりで、うっかり店に忘れてしまった。
それに気付かず、その後、あちこちのブースをまわりながら、別の買い物をしていると、ポンと肩を叩かれた。
振り向くと、くだんの野菜売り場のおばさんで、「もーーー、ちょっと! 捜したわよ!」と、忘れた青梗菜を渡してくれた。
中国では忘れ物がおよそ手元に戻ってくることはなない。
この国では忘れ物をしたら、それはもうすべて自分のでせいであり、悔しい思いをしたくなければ、万全の注意を払うべきである。
と、思うので、届けてもらったときは、びっくりしてしまった。
今回は馴染みの店だったからということもあろうだろうが、以前、別の馴染みの店でやはり同様に置き忘れたときには、「え、知らないわよ?」という話で終わってしまったので、馴染みだから大丈夫ということは全くない。
すなわちそんな風に最低ラインの心構えでいると、ストレスフルな自己責任社会でも心穏やかにいられるに違いない、といまさらながら思う。
浙江テレビで「心術」という医療ドラマを放映している。
中国の医療ドラマは妙に正義ぶった感じが漂ったりするのだが、これは医者や患者とその家族のエピソードが、等身大でコミカルに展開。
例えば、母親が入院中の女性が友人に手術のことを相談すると、友人は「医者に患者を預けるのは、内装業者に金をわたすみたいなもんでしょ!」と言い放つ。
内装業者はちゃんとみはってないとでたらめをする。
こんな感じで、医療への不信、医者の苦悩、貧困による医療問題など今の中国社会が織り込まれているところが絶妙で、なかなかはまるドラマである。
※「心術」
http://tv.sohu.com/s2012/xs/