中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
中国独身デー爆買いの裏、進化する宅配業者

 ECサイトの1日の売り上げが、ざっと2兆円。そんなニュースが流れる11月11日の中国独身デー。

 

 中国経済がめきめき発達した一方で、若者にとって社会はどんどんせちがらくなり、20代で結婚できない若者が増加。そこへネット通販会社が、「自分のためにプレゼントを買いましょう!」と仕掛けた一大セールデーが、いまや、世界最大規模のショッピングデーとなった。

 

 このニュースを見るたび、これだけの規模の荷物をさばく中国の宅配業者の進化が、感慨深い。

 

 国民的ネット通販大手を擁するアリババによれば、伝票数は4億6700万件(!)、荷物の点数でいえば10億個ほど(!!)になるという。

 北京だけでも、配達件数は6000万件、数でいえば1億個にのぼるそうだ。

 

 倉庫に山のように荷物があふれかえり、それらをぶんなげたり、軽い荷物の上に重い荷物を積んで下のものがつぶれたりする光景はすでに風物詩だが、それも年々整備され、デジタル化が進んでいる。

 

 大手宅配業者の順豊や韻達では、全自動の仕分けシステムを導入し、順豊では、1時間に4万件の処理を、30人の人員でできるようになったという。

 また韻達では、受け取り方法の多様化のため、自前の店舗のほかに、コンビニとの提携や宅配ロッカーの導入を進めているとのこと。

 

 日本では当たり前かもしれないが、荷物の追跡がごく「ふつうのこと」となったのは、この数年のことではないかと思う。

 

 宅配のスタッフは、もっぱら出稼ぎお兄さんで、安い基本給に、配達一件で数元(数十円)という格安の報酬で、できるだけ稼ごうと、朝から晩まで働きづめだった。

 そのため荷物の扱いは乱雑だし、途中で荷物が盗まれて、届かないことも「わりとよくあること」だった。

 

 北京五輪のころ、ネット通販はまだまだ黎明期で、そのころ、宅配を頼むと、だいたい何かしらかのトラブルで、配達員ともめることになり、おかげで中国語がずいぶん上達した。

 

 それが、バーコードで荷物を管理し、盗難対策も厳しくとるようになり、それまでの安かろう悪かろうの横並びの中で、配達料は多少高くても、良質なサービスを提供する業者が、口コミで高評判を得るようになった。

 そして、そういう業者に配達を依頼すると、出稼ぎの汗だくで不機嫌なお兄さんでなく、こざっぱりとさわやかな青年が来るようにもなった。

 

 月給は、今では1万元を超えることもそう珍しくないそうなので、下手にデスクワークの仕事につくより、稼げそうだ。

 

 そして配達手段もまた、5、6年くらい前までは、荷台のついた自転車が健在で、えっちらおっちらと荷物を運んでいたのが、バイクにかわり、今では宅配ロッカーまで設置されるという。

 

 昨今、爆買いが何かと話題になっていた中国。

 それが世界の経済にもたらす影響もさることながら、かの国の、ごく普通の消費者の旺盛な消費欲が、自国の社会にもたらす変化の大きさとスピードの速さを、改めて思う。

 

「新京報」独身デー恒例の山盛り荷物

 

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セグウェイ罰金10元@北京

 少し前の記事なのだが、北京で、「平衡車」や「滑板車」すなわちセグウェイやキックボードで、公道を走ると、罰金10元(1元=約15円)というニュースがあった。

 

 中国の国民的ショッピングサイト「タオバオ」には、ミニセグウェイもどきが400〜600元程度、セグウェイもどきが2000元〜3000元、電動キックボードは1000元〜4000元といった価格帯で販売されている。

 

 私が北京にいた二年前はまだ見かけなかったので、ここ一、二年のことだろうか。

 報道によれば、電動自転車より安く、折りたためて運べて便利なため、通勤の足がわりになっているという。

 

 ただし、市当局の調査では、対象となった電動キックボード20件のうち、16件は最高時速20キロを超え、最高時速時の停止距離は4メートルを超えたそう。

 

 電動自動車が爆発的に増加したときもそうだったが、工業規格の整備うんぬん以前に、どんどん商品が作られ、売られてゆき、消費者も安全より、便利さ優先のところがあると思う。

 

 しかも電動自転車は、日本で売られているような電動「アシスト」自転車ではなく、本当に電動で動く自転車なので、スピードも原付バイクなみ。

 おまけに、エンジン音もないため、事故が起こりやすい。

 昨年の北京の報道では、人身事故の四割強が、電動自転車によるものだということだった。

 

 ということで、人気が出始めた、なんちゃってセグウェイやキックボードは、公道禁止で、罰金10元とのこと。

 でも、10元くらいなら、罰金払ってでも乗るでしょう!、と思いながら、ネット市民の反応をみていたら、「それくらいなら、いっそ、赤信号無視の歩行者から、罰金をとれ!」「電動自転車のほうを取りしまるべき!」という意見。

 

 それでふと、北京の知り合いの言葉を思い出す。

 確か地下鉄に関連した話題だったと思うのだが、どうして政府当局が出す政策は、明後日な方向に向かうことが多いのだろうといった話をしていたときのこと、知り合い曰く、「だって、政府のお偉いさんは地下鉄になんか乗らないからさ」。

 

 もっとも昨今は、政府も、市民の生活レベルの意向をそうそう無視できない。明後日な方向の政策は、市民のニーズのほうが高いと、なし崩し的におざなりになる傾向があると思う。

 なんちゃってセグウェイやキックボードも、ニーズのほうが高ければ、10元ぽっきりの罰金など何の役にも立たず、そのうち、市民権を得るかもしれない。

 

新京報「北京平衡滑板上路10

http://epaper.bjnews.com.cn/html/2016-08/30/content_650116.htm?div=-1

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学術論文の中国的ワンストップサービス

 貴州省の尊義師範学院という大学の副教授が、論文を盗作して、首になったという話が北京の新聞で報じられていた。

 中国の論文盗作問題は、卒論からが学術論文にいたるまで、今に始まった話ではない。

 

 「中国青年報」の昨年の報道によれば、約300人の大学生を対象にした調査で、卒業論文の代筆を考えたことがあると答えた学生は31.13%、周りでそういう話を聞いたという人は73.9%にのぼったそうだ。

 

 学術論文についても、剽窃がたびたび報じられるのは、助手→副教授→教授とのぼっていくためには、論文を発表した本数が問われるためだという話を、大学の先生から聞いたことがある。

 とにかくたくさん発表しなければ、出世もままらない。しかし発表する媒体の数は限られ、掲載してもらうためには、人脈と金が必要になる。そこで、この先生の場合は、日本の学術誌でもいいので、発表する機会はないか、という話だった。

 

 今回、論文の盗作がばれた先生は、論文の代理執筆業者から、3000元で論文を購入たという。

 業者からはオリジナルの論文だと聞いていたが、実はとある学生の卒業論文で、たまたまその学生がネットを検索していたときに、自分の論文が、別の人の名前で発表されているのを見つけ、発覚した。

 

 一般に、発表された論文は学術データベースに登録され、重複チェックは有料で行える。ただ、この学生は卒業論文を発表したことなかったため、データベースのチェックではひっかからなかった。どうやら、後輩の参考にと送ったものが、めぐりめぐって、業者の手に渡ったのではないかとのこと。

 

 それにしても、ニーズが多ければ多いほど、それが儲けになればなるほど、その是非を問わず、市場が活況を呈するのは中国の常。

 

 中国の国民的ネットショッピングサイト「タオバオ」で、「論文代理執筆」を検索すると、関連業者が多数ヒットした。(その後、しばらくしてもう一度、検索したら、ヒットゼロになったのは、ニュースの影響だろうか)

 

 学部の卒業論文、博士課程の修了論文、MBAの論文、学術誌に発表するための論文と各種そろい、代理執筆者のランクも学生から教授までそれぞれ。

 上記報道によれば、安いものでは1000字150元(1元=約16円)、高いものでは1000字700元にもなる。

 

 「オリジナル論文」をうたう業者もあれば、重複がチェックされないよう、既存の論文を書き換えて、新しい論文を作成する業者もある。

 

 さらに学術雑誌への掲載まで「一条龍服務」を提供する業者もある。

 「一条龍服務」というのは、一回の手続きで、すべてをトータルでやってくれる「ワンストップサービス」の中国語。長い龍の頭からしっぽまで、まるごとお任せサービスというイメージだ。

 ちなみに価格は、省級の期刊誌の場合、掲載料400元から、国家級なら600元以上など。

 

 悪徳業者も多そうだが、タオバオでは5点満点中4.8点など高評価のついている業者もあった。

 高評価が100%本物とはかぎらないものの、Q&Aコーナーを設けて、きめ細かいサービスを展開している。

 こういうものを目にすると、改めて、中国的市場経済の意味を考えてしまう。

 

新京報「副教授买论文涉抄被解聘

http://epaper.bjnews.com.cn/html/2016-08/15/content_648148.htm?div=-1

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ぽっちゃりちゃんもオッケー@中国の兵役検査基準改革
 中国では兵役検査をより時代にあったものにすべく、改革しているという。
 この一環で、検査基準を少し緩和し、体重は男性の場合、標準体重の25%オーバーから30%オーバーまで、女性の場合は標準体重の15%オーバーから20%オーバーまでオーケーに変更。これは、近年、体重オーバーぎみの若者が増えたためだそうだ。
 
 また、身長の基準も2cm下げて、男性は160cmまで、女性は158cmまでオーケー。
 さらには、かつて口紅を塗っていた女性は不合格となることがあったが、現在は女性の口紅やアイラインはオーケーとした。
 
 この背景には入隊を志願する若者が減っているという事情もあるだろう。
 ただ思うに、子供がぽっちゃりに育った家庭の親は、大事な一人っ子を兵役につかせたいなどとは、あまり考えないに違いない。
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北京のとある新聞にみる安倍談話への中国的反応
 安倍総理の戦後70年談話について、中国のニュースをみていると、「直接のお詫びの言葉を避けている」といった報道はみられるが、以前、反日でもりあがっていたときのような強いバッシングはみられないようだ。
 
 加えて北京の新聞「新京報」では、安部談話にお詫びがなかったという記事とは別の面で、「日本普通人の戦後生活」という記事をさりげなく掲載。
 以前の反日下の中国のメディアでは、軍国主義の日本を報じても、敗戦後の庶民の生活を紹介する記事などまず掲載されることはなかったと思う。
 
 さらに書評欄で、日本人孤児の本を取り上げ、「一人の日本孤児の見証」などという記事を掲載した上に、さらには『漢訳与謝蕪村俳句集』なる本も紹介して、なんだかこそばゆいくらいである。
 
 中国のメディアは、お上が日本を叩くと決めている時には、叩く系の記事しかのらない。
 一方で、上が日本との関係を考慮しようという方針のときには、「普通の日本人の生活」や日本文化を紹介する記事を散見するようになる。
 ということで、今しばらくは、「そういう時期」ということのようである。
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天津爆発拡大の、言い得て妙な「官話」
 天津の爆発がこれほど大規模になったのは、消防員が水をかけたせいではないか、という疑惑について、当局の見解は「一般に消防員は現場に到着して、何が燃えているのかなどの情報をもとに消火の方針をたてる。しかし火事の現場では、その情報が間違っていて、突発的な状況が起こり得るもので、緊急の措置をとらなくてはならない。(中略)今回は事故現場執念には、大量の新車を保管した倉庫があったので、まず水を使用した。ただ消火の過程で水によって爆発する物質があったものと思われる」。
 なかなか言い得て妙な見解である。
 
 なお、北京の新聞「新京報」はこれについて、初期消火にあたった消防員を追加取材し、「消火を始めて15分後にコンテナが爆発した」という証言を掲載していた。
 
※官方回“爆炸是否与救火不当有关”
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-08/15/content_593277.htm?div=-1
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天津爆発募金詐欺
 貧富の格差の大きい中国では近年、難病や大けがで困っている貧しい人々の話がメディアやネットで流れると、募金をして助けよう!という動きが広がる。
 最近は、中国のツイッター「微博(ウェイボー)」の書き込みを、LINE的「WECHAT」のクローズドなグループに転載し、「信用出来る情報! 募金求む!」なんてメッセージが友達から回ってきたりするのだが、それが実は詐欺だったということもないわけではない。
 
 天津爆発事故でもさっそく募金詐欺が発生したことがニュースになっていた。
 犯人はまず、ウェイボーで、事故の現場近くにいるはずの父親と連絡が取れないという内容をつぶやいた。続いて、連絡の取れない父親をおもいながら、母が亡くなった日のことを思い出すといった書き込みを追加。
 
 さらにほどなくして「父の遺体とあった、泣きたいけれど、病院は人が多い、もうすぐ高三になるのだから大人にならないと」などという書き込みを連投し、アクセス数は300万件を超えたそうだ。
 
 特に募金を求めたわけではなかったが、微博には「打賞」という小額の心付けを送れるシステムがあり、くだんの人物を気の毒に思った人たちが送金。その数は3700人ほどにのぼったという。
 
 しかし事故のこと以外の書き込みがサッカーの話ばかりで不審なことから、ネットユーザーが「肉捜」でこの人物を特定。
 天津から遠く離れた広西の高校2年生で、父母は健在ということが判明し、通報するにいたった。
 
 後日の取材によれば、くだん書き込みは、この高校生が父親とけんかし、そのはけ口としてやったもので、悪意があったわけではないようだ。
 しかし中国で、この手の事件が起こると、上も下も、嘘か本当かわからない話が入り乱れ、人々は猜疑と哀悼の狭間にゆれる。そして結局、真相はうやむやのまま、何事もなかったように日常が戻るのである。
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独身サラリーマンはまず大学院?まずマイホーム?
 以前からとりあげている北京の新聞「新京報」の、「理財」(財テク)アドバイスのページがなかなか興味深い。
 今回は、独身サラリーマンはまず大学院(博士課程)かマイホームか、という実に中国らしいテーマである。
 
 この男性はおそらく20代後半だろう。修士課程卒業で、現在は北京の外資系企業で財務の仕事をしている。年収は税抜き前12万元、税抜き後9万元(1元=約20年)というのであまり高いほうではないが、貯金は10万元ある。
 実家は地方都市にある。両親は安定した仕事についていて経済的心配はなく、家を2軒持っている。ただ、北京で働く彼は、借家住まいという状況だ。。
 
 中国では一般に学歴重視なので、学歴が高ければ給料もあがる。また、結婚するにはマイホームを買っておく必要がある。しかし今の彼の給料では、どちらもきびしい。
 
 そこで紙面アドバイザーいわく「まず仕事内容からすると、財務に、博士課程までの学歴は必要ない。まずはお金をふやして、マイホームを購入することに専念すべし。
 そのためには貯金10万元のうち、20%を現金か普通預金とし、残りを財テクに回す。利率は年7%程度の堅実なものにする。
 加えて今後、北京でずっと働くのなら、両親の持家のうち1軒を売却してもらい、それを頭金にして、郊外の60平米程度200万元以内の家を買うことを考える。幸い、不動産価格はいまのところ値下がりしているので買い時と言える。
 博士課程への進学は、例えば理系などのもっと専門的な職種に転職する際に考えることにしたほうがよい」。
 
 それでふと、以前、日本でかなり出世しながら中国に帰国した、もと在日中国人のことを思い出した。
 なぜ戻ったのかたずねたとき、その人から聞いた話はこうだ。
 あるとき、保険会社に定年までの収入をシミュレーションしてもらうことがあったそうだ。日本の大企業勤めだったその人は、だいたい何歳のときにどのくらいの給料になるかまできっちり産出できた。
 そんなふうにシミュレーションできる自分の人生に愕然とし、急成長中だった中国に身を投じ、冒険することに決めたという。
 
 確かにそのころの中国は、大ばくちを打って、大ばけするようなダイナミックさがあった。
 今もその要素が残っていないわけではない。それでもこういう記事が出るということは、若者が人生計画をたてられる時代になったということだろう。そう考えると、時代の変化が感慨深い。
 
※「新京報」身外企男先是先房?
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-07/01/content_585117.htm?div=-1
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故宮でヌード写真争議
 6月初め、北京の故宮で、すっぽんぽんの女性を撮影した写真が争議を醸していた。
 撮影者はWANIMAL(本名;王動)という写真家で、くだんの写真は彼の微博(ウェイボー)で発表されたもの。
 
 天下の故宮で破廉恥なヌード写真をとるとはふとどきだ、という争議もさることながら、写真が誰もいないところで撮影されていることから、そもそも、いつ行っても人だらけの故宮で、なぜこんな写真が取れるのかという疑惑で盛り上がった。
 
 裏で誰かが手引きをしたのではないかと疑われた故宮は、入口の監視カメラの映像を公開。そこには、開門と同時に写真家とモデルが一番乗りで小走りに、中へ入ってゆくシーンが写っており、故宮いわく、「二人はちゃんとチケットを買って中に入った、突然のことで故宮は全く知らなかった」とのこと。
 
 故宮をはじめ、国営傘下の組織は、いつでも何かあるとすぐ疑いの目を向けられる。たとえ何も悪いことはなくても、きっと裏で悪いことをしているんだろうと思われている。(あるいは実際、裏で「悪いこと」をしていたりする)
 政府への信用のなさがこんなところでもぽろりと露呈する。
 
 そして6月4日を目前とした時期に、天安門広場の向かいのこの場所で、大陸メディアがヌード写真の話題でもりあがるというのは、大陸ではけして触れることができない「かの事件」への、ある種のアンチテーゼかもとうがってしまう。
 
※WANIMAL微博
http://www.weibo.com/p/1005053076563621
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ハイリスクエレベーターの全市検査@北京
 発展を続ける北京市には2014年末現在、18万台のエレベーターが設置されており、さらに年間約10%増の勢いで増えているそうだ。
 しかし管理も点検もされていない古いエレベーターが多数あり、今回、15年以上の古い未整備のハイリスクエレベーター約4000台について、市が安全検査を行うという。
 
 実際、北京の古い建物でエレベーターに乗ると、日本のブランド名が書かれたものであっても、かなりギシギシと音がして、「大丈夫なんだろうか」と思うことがしばしばあった。
 あるいは日本人駐在員の方が住む高級マンションでは、乗り込んだエレベーターがいきなりがくんとさがり、あわや大惨事か?!というようなこともあった。
 
 「日本製だから大丈夫なんじゃないの?」「いやいや、日本ブランドの名前をかたったパクリエレベーターかもしれない」などという会話をしていたのだが、そもそも保守点検されていないエレベーターがあるというのは、(うかつにも)考えたことがなかった。
 
 おりしも、私が東京で住んでいるマンションの管理組合で、エレベーターの管理会社の変更を検討する話が出たところだが、エレベーターの保守点検というのは高い専門性を問われるもので、管理会社も安ければよいというものではないという。
 
 五輪をさかいに猛烈にビルや施設を建てまくった北京では、管理やメンテナンスのクオリティが追いついていないところがある。
 エレベーター問題もその一つだろう。市当局が、古いエレベーターの点検を行うのはよいことに違いないが、保守メンテナンスのサービスそのものを向上してゆかないことには、たとえ高級マンションのエレベーターであっても安全とはいえないかもしれない。
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