中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
アマゾンのデリバリープロバイダが、北京の宅配業者的な件

 以前、重い猫のトイレ用砂をアマゾンで注文したら、配達業者がチャイムを鳴らさず、宅配ロッカーに入れて帰ってしまったことがあった。

 私の住んでいるマンションは、宅配ロッカーに荷物が入ると、ドアブザーが鳴って、「お荷物が届きました」とアナウンスが入るので、すぐわかるのである。

 

 今の日本で、こんなアバウトな配達があるのだろうかと、ネットで調べてみると、アマゾンでは大手宅配業者だけではまかないきれない配送を、地域限定の配送業者が請け負うようになって、トラブルが多発しているという。

 そのときの配達も、アマゾンが契約するデリバリープロバイダによるものだった。

 

 ひとまずアマゾンにクレームを入れると、電話口のお兄さん曰く「トラブルを避けるためには、コンビニで受け取っていただくのが一番です」

 いやいや、そういう問題じゃないから! 重いから宅配頼んでいるんだから!と、すったもんだすることしばし。

 

 その後、何度かノーチャイムで宅配ロッカーに入れるということが続き、先日はまた、在宅にもかかわらず、コメを宅配ロッカーに入れられてしまった。これもやはりデリバリープロバイダの配送だった。

 

 再度、アマゾンにクレームをすると、今度は電話口のお兄さんいわく、「お荷物によっては宅配ロッカーに入れてもよいという指示を出しています」。

 

 そんなはずはないでしょう!と、これまたすったもんだすることしばし。

 一向に埒があかないので責任者か他の人に替わってほしいと話しても、2分お待ちくださいと言って、2分後に再び電話に出たあと「自分が対応します、ご説明申し上げますと……」、と、説明という名の言い分を繰り返す。

 おもわず、ここは北京だったか、と既視感にとらわれた。

 

 7〜8年ほど前、北京ではネットショッピングの爆発的発展にともない、宅配業者も急増した。ところが、サービスのほうは、それはもうアバウトなもので、不達や誤配、破損はもちろんのこと、届くはずの日に届かないので連絡したら、「今日は疲れたからもう配達しない」などといわれたこともある。

 

 クレームを入れれば、「私の説明を聞いてください」という口上から、マシンガントークで長い長い言い分を聞かされた。おかげで私の中国語のヒヤリング能力はだいぶ上達したと思う。

 

 しかし、今、私がいるここは東京である。

、あまりに、話が通じないので、途中で電話を切ったところ、再度くだんのお兄さんから電話がかかってきた。それを断わり、改めてカスタマーサービスに電話した。

 

 今度のお兄さんは比較的普通で、「アマゾンで宅配ボックスに入れていいという指示は出してません」とのこと。

 そして、「宅配業者には、ドアチャイムを鳴らして在宅を確認するよう要望を出します」と、のたまった。

 

 そこは「要望」ではなくて、「クレーム」ではないかと思いつつ、ひとまず、これでよしとする。ここに至るまで、約30分。

 

 在宅時に部屋まで届けてもらえない宅配は困るし、改善の気配がないのにも心が折れそうになる。

 ただ、実のところ、本当に問題なのは、、指定通りの時間にきっちり荷物が届き、少しでも遅れると猛烈に責められて当然の日本において、これほどあっぱれにアバウトな配送サービスが可能なのは、グローバルの巨頭アマゾンくらい、ということのほうかもしれない。

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中国のサービスが格段に向上した理由

 某日、日本のスマホをzenfone3に買い替えた。

 実はこのzenfone3、SIMカードの2枚同時使用が可能で、中国移動(チャイナモバイル)の4Gの周波数もカバーしている。

 日本と中国では通信規格が異なるため、両方の電波を拾えて、しかもデュアルSIM+デュアルスタンバイというのは、日中スマホ2台持ちには救世主のような携帯である。しかもけっこう高性能で安い。

(※追記:ファーウェイのP10もデュアルSIM+デュアルスタンバイで、中国移動の4G周波数をカバーしているようです)

 

 ただ、私の場合、チャイナモバイルのSIMカードが2Gのカードのままだった。

 これでは昨今話題のwechatペイは使えないし、タクシーも呼べなければ、シェアサイクルのモバイクも利用できない。

 それどころか、グーグルマップの中国版「百度地図」が使えない。このため、前回、北京に行ったときは、友人から送られてきたマップを開けず、グルグルと迷子になり、先方をひどく待たせてしまった。

 つまり、今のままでは、中国ですでに生活必需品となったスマホサービスを、何も使えないのである。

 

 ということで、先日、北京に行った際、SIMカードのグレードアップをすることにした。

 話によれば、在住者には無料でアップグレードされたSIMカードが郵送されてくるという。そうでなくても、営業所に行けば、その場で交換してくれる、という話だった。

 

 が、これまで中国で、こういうことがすんなりいった試しがない。

 まずは心の準備で、バトルモードにスイッチオン。

 

 中国移動の案内サービスに電話をすると、ハキハキとしたお姉さんが明快に対応してくれて、即座に最寄りの営業所をショートメールで送ってくれる。ついでに、サービス評価をもとめるショートメールも送るので、最高評価のAを返信してね、と付け加えられる。

 

 が、だいたい言われた通りに行っても、営業所がみつからなかったり、閉まっていたり、該当のサービスを扱っていなかったりする。

 果たして本当に営業所はあるのだろうかと疑心暗鬼で出向いたら、ちゃんとあった。

 

 しかも、受付のお兄さんがとても親切で、やはり即座に新しいSIMカードを出してくれる。スロットの関係でnanoSIMがほしいと言うと、microSIMの枠をプチっとはずしてnanoSIMにしてくれて、それをzenfone3にセット。

 

 無事に中国移動の電波を拾って通話も可能、というところまで確認してくれたうえ、さらに、「microSIM 用の枠をつけなおせば、microSIMとしても使えるから、枠はスマホケースの裏に挟んでおくといいよ!」と、親切にアドバイスまでしてくれた。

 もちろんアップグレードはタダ。

 

 加えて、通信量をパックにしたい言えば、その場で通信パックを使えるようにしてくれる。

 その間、他の客が来ると、私の対応をしつつも、別の客にもすばやく神対応。

 

 お兄さんが一人忙しくくるくると動き回っている後ろで、やる気なさそうなスタッフが二人、手持無沙汰にゲームをしているのは少々気になったが、もしかしたら業務範囲が違うのかもしれない。

 

 なにはともあれ、完璧なサービスで、データ通信のパック料金を払った以外、特に金銭の要求もなし。

 中国でこんなすばさらしいサービスを無償で受けられるようになったなんて!と思わず感激。

 

 帰り道、さきほどの電話案内にAの評価を返していると、再びショートメールが届いた。

 見れば、今度は営業所から評価を求めるショートメールだった。

 

 営業所では、私の携帯番号が残るようなことは何もしていない。

 なのに、なんでわかったんだろうと首をひねって、はたと思い当たった。

 そういえば、新しいsimカードが通信可能かどうか確認する際、受付のお兄さんに言われるまま、彼の携帯に電話をかけたのだった。

 一瞬、え?とは思ったものの、あまりに自然に言われたので、親切なのかなと思っていた。

 

 でも実際は、客からの評価が彼のインセンティブにつながるので、早々に、私の携帯番号を入手していたのだろう。

 

 後日、銀行で換金した際も、窓口のお姉さんがえらく親切だなと思ったら、やはり手元の評価ボタンで最高を押してくださいとリクエストされた。

 

 中国のサービスはずいぶんスマートになったと思う。

 でも、その親切はきっとタダではない、のである。

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良心か用心か@中国スマホが日本で使えなくなったとき

 少し前のこと。香港から帰国したら、中国スマホがずっと圏外のまま、使えなくなってしまった。キャリアは中国移動(チャイナモバイル)、本体はiphone4。

 香港に行くまではずっと、日本ではドコモの電波を拾って使えていた。

 

 ネットワーク設定をリセットしたり、電源をオンオフしたり、SIMカードを出したり入れたり、いろいろ思いつくかぎりのことをしてみたのだが、圏外のままどうにも使えそうにない。

 

 こうなると、SIMカードの問題か、本体の故障かのどちらかのような気もするのだが、確かめるためには、誰かのSIMフリーなスマホを借りて、私のSIMカードを指し、使えるかどうか確認する必要がある。

 

 幸い、知り合いの中国人のおばさんがSIMフリーのiPhoneをもっていて、貸してくれるという。ありがたくお借りしたところ、日本で不動産投資もしているおばさんのそれはiPhone6。私のおんぼろiPhone4とは、SIMカードのサイズが違うので確かめようがなかった。

 

 どうしようもないので、とりあえず、チャイナモバイルのカスタマーセンターに電話をしてみることにした。

 中国の携帯キャリアのすごいところは、世界中どこにいても、キャリアのサービス番号の前に中国の国番号81をつけて電話すれば、つながるということだ。

 チャイナモバイルの場合は10086。

 

 一方、すごくないところは、これまでカスタマーサービスに電話して、解決したことはほとんどない、ということである。

 電話口のスタッフはみんなはきはきとしていて、丁寧で、説明も明確だ。なぜなら、電話を切ったあと、「今のサービスはどうでしたか?」というSMSが客の携帯に送られ、サービスが評価されるシステムになっているからである。

 

 だから、なかなかよい対応だと思って、最高点を返しても、結局、問題は解決されていなくて営業所まで出向くということが、これまで何度かあった。

 

 それで今回も、ダメもとで電話をしたところ、電話口のお姉さんは、国際ローミングの設定がオフになっているという。

 

 このローミング設定は、チャイナモバイルのサイトにログインすると、自由にオンオフを切り替えられる。圏外のままなので、とりあえずオフにしてあるだけで、オンにしたところで、圏外のままであることは、すでに確認済みだ。

 

 電話口のお姉さんにもそう言ったのだが、「設定をオンにしておきますから、10分後に、再起動して試してください」とのこと。

 それはもう確認してだめだったと訴えたのだが、お姉さんは「大丈夫です! 試してみてください」と繰り返す。

 

 「いや、絶対、大丈夫じゃないから!」と言っても「絶対、大丈夫!」

 埒があかないので、電話を切り、どうせだめだろうと思いながらも、とりあえず言われた通りしてみた。が、やはり圏外のままである。

 

 やっぱり、だめじゃん、と思いつつ、もう一度、チャイナモバイルに電話してみる。

 今度はお兄さんが電話に出る。事情を訴えるも、やはり「カードは正常です」とのこと。

ただ、念のため、カードの設定をリセットしてくるとのこと。

 また「10分後に再起動してください」と言われ、これ以上はどうにもしようがない。

 

 これも再びあきらめ半分で、言われた通りやってみたが、案の定だめだった。

 そこでふと思い立って、最初に試してだめだったネットワーク設定を、もう一度、自動から手動に切り替えてみた。

 すると今度はあっさり、つながった。

 

 どうやら、iphone本体の問題であったらしい。

 今回「絶対大丈夫!」と言い切ったチャイナモバイルのお姉さんも、「正常です!」と言たお兄さんも正しかった。

 

 中国を長く経験すると、何事につけても、懐疑的になりがちだ。

 でも、本当は疑ってばかりいるのも、よくはないかもしれない。

 と、反省しかけたところで、以前、中国の文革世代の人が言っていた言葉を思いだす。

 「中国で生き抜くためには良心より用心」

 

 中国ではうっかり気を緩めていると、ブーメランのように跳ね返ってきたものに、カウンターパンチをくらってノックアウトされることがある。

 日本でずっとリラックスしっぱなしだと、その加減を忘れそうである。

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歳末バトル
 久しぶりに中国の大手銀行のネットバンキングを利用すると、すっかりパスワードを忘れていた。
 何度か試したのだがうまくいかず、うっかり凍結されてしまった。
 
 困ってくだんの銀行の東京支店に電話をしてみた。
 すると中国人のお姉さんが出て、「中国の銀行でなければ解除できない、海外の支店は大陸とはシステムが違う」とけんもほろろである。
 そこをなんとか利用する方法はないのかといっても、「ない」の一点ばりで、まったくとりつくしまもない。
 
 そこでもう1度、同じ銀行の日本語サービスの窓口に電話をすると、日本人の男性が出て、「大変申し訳ないのですが、口座を開設した銀行でなければ、解除できません」と言う。
 言っている内容は同じだが、気分的に全然違う。
 さらに「ATMでの引き出しは可能ですので、なんとか次に中国にいくまでしのいでいただいて…」などと新たな情報も教えてくれる。
 
 ネットバンキングがつかえなくてもATMが利用できるなら、なんとかしのぐことは可能だ。これぞ日本の「おもてなし!」である。
 やはり日本のサービスは違うなあなどと思い、続いて日本の某老舗デパートに、注文したおせちの配達について問い合わせの電話をする。
 
 配送業者の伝票番号は送られてきたのだが、問い合わせができない状態のまま何日もたっていた。
 おせちの注文なんて10年以上ぶりなので状況がよくわからない。
 電話口のお姉さんにたずねると、「まだ配送業者に引渡しをしていないので、問い合わせができない状態になっている」という。
 ではいつ引渡しされるのかと聞いたところ「申し訳ございませんが、わかりかねます」。
 
 わからないといわれても、こちらがよくわからない。
 サービスでは定評のある大手デパートのはずなのだが、だんだん中国のお姉さんとやりあっているような気になってくる。
 
 31日に出かける予定があるので、事前に配送業者に連絡をいれておきたいのだと言っても、「いつ引渡しになるか、大変申し訳ないのですがわかりかねます」と繰り返す。
 
 「わからないじゃ困るんです」というと、「大変申し訳ございません、少々お待ちください」といったん電話が保留になり、待つこと3分。
 次に電話に出たときには、「大変お待たせしてもうわけございません、31日当日になるまでわからないそうです」。
 
 「それじゃあ31日に出かける人はどうしたらいいんですか」と問えば、「もうしわけございません。再配達をお願いすることになります」。
 でも帰りが遅くなる場合、再配達もしてもらえないだろう。
 
 何がどうなってどうしてわからないのかと問うたところ、再び「大変恐れ入りますが、わかりかねます」。
 「ならばわかる人にかわってほしい」といえば、「申し訳ございません。お調べして折り返しお電話します」。
 
 思わず、「あやまんなくていいから、ちゃんと説明してください!」と叫んでしまう。
 結局その後、らちがあかないので、本店の顧客センターに電話をし、おせちの担当の方から電話をいただくことになった。
 ほどなくして担当者から電話があり、まずは丁寧に質問内容を確認。
 さらにこれまた丁寧に謝罪をされ、「前日の真夜中から検品がおわった順に順次引渡しをしている状況で、はっきりしたことを申し上げられない。通常であれば、午後の配達となるが、伝票番号の登録が反映されないまま午前中に配達されてしまうこともないとはいえない、もうしわけございません」という話だった。
 
 最初に電話に出たお姉さんはその辺の事情を知らなかったのだろう。
 それなら一言、「詳細はわからないので、おせちの担当から直接ご連絡させます」と言ってくれればそれでよかったのだが、私の聞き方が何か間違っていたのだろうか。
 
 思えば中国のサービスは謝らない。むしろ自分に非がないことを主張しまくる。だから常に衝突が起きる。
 一方、日本のサービスはとかく非を認めまくって謝りまくる。
 そしてたとえ謝りまくっても、その人に解決のための発想がないと、バトルになることにはかわりないのである。
 
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 2014年もブログをのぞいていただき、本当にありがとうございました!
 今年は本帰国のため、なかなかブログの更新もままならず、せっかくみていただいた方には申し訳ないかぎりでした(と、日本人的謝罪!)
 2015年は気持ちをあらたに、日本からみた日中文化考を楽しく綴ってまいりたいと思います。羊年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
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落ちているものは私のもの@北京
 北京から東京に大量の荷物を郵送した際のこと。
 中国の郵便局では中身の確認があるので、自分で荷づくりをした段ボールも蓋をせずに持って行くのが原則だ。
 
 ある時、2、3箱をまとめてカートでひっぱっていったら、途中で雪崩を起こし、中の荷物を路上にぶちまけてしまった。
 それを詰め直し、郵便局にたどりついたところで、コートが1着とブーツが片方入っていないことに気付いた。
 
 連日の荷物出しでクタクタかつ朦朧としていたので、おそらくぶちまけた際に拾い忘れたのだろう。コートは日本で買ったわりといいものだったので、探しに戻ったんだが、この国では落し物が見つかることはまずない。
 案の定コートは見つからず、ただ、片方のブーツだけは道路にそのまま転がっていた。
 
 その数日後のこと。外出するために部屋を出ると、マンションの中庭に人形が落ちているのが目についた。見るからにちょっと高そうな人形だった。
 マンションの半分以上の住人が外国人ファミリーなので、彼らの子供が落としたのかもしれない。
 
 どこに届けたらいいんだろうと思っていると、清掃のおばさんが通りかかり、ささっと人形を拾った。
 そして向こうで掃除をしていた別の清掃おばさんに「これ、あんたのところの孫にちょうどいいんじゃない」と声をかける。
 
 声をかけられたおばさんは「あら、ほんと。ちょうどいいわ」と、至極当然のように人形を受け取った。
 
 なるほどこうして落し物はあっという間に消えるのだ。
 私のコートも、おそらく全く悪気はなく、「あらこれいいわ」と誰かがもっていったんだろうと思うと、針の1000本でも仕込んでおけばよかったという気になるのである。
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中国の優秀的郵便局
 北京の郵便局から段ボール30箱くらいを船便で日本に送った。
 うち20箱以上が本で、1箱20キロという重量である。
 それをちまちまと3カ月かけ、荷づくりしては徒歩15分の郵便局まで運ぶというのを繰り返した。
 
 中国では郵便物は中身を必ずチェックするのだが、3箱目くらいからは、ほぼノーチェック。なじみになった郵便局のおじさんに、いくたびに「また来たの?」といわれ、最後の1箱のときには、「え、これでおしまい? やったー」と喜ばれるほど、郵便局の人にとっても重労働だった。
 
 それはさておき、その荷物たちは発送からきっかり3週間後に日本に届いた。
 重さゆえに、段ボールが裂け、テープでぐるぐる巻きに補修されていたり、カバンをつめた段ボールはびりびりやぶけて、中身をチェックしたあともあったりしたが、とりあえず物がなくなることも抜かれることもなく、全部、無事ついた。
 
 さらにもう1つ、送ったはずのない荷物もついた。
 まったく覚えはないのだが、ラベルは確かに私が書いたものである。
 配達の人に「変ですねえ、送ってないんですけれど」と言いながら、はがれそうになっていたラベルをはがしてみると、下には大きな丸い穴があいており、その周辺に、かろうじて、別の人の住所が書かれているのが読めた。
 そして私が送ったほうの段ボールは、ラベルがはがれていることに気付いた。
 
 中国では段ボールにも住所を直書きするルールなので、ラベルがはがれても届くことは届く。でもなぜ、私のラベルが別の人の箱に貼られてしまったのか。
 
 おそらくだが、この不明の段ボールの穴は荷物検査のあとである。
 中身はお茶か何かのようだったが、チェックのために段ボールに穴をあけたのだろう。
 そしてこちらも正しいラベルがはがれているところから推測するに、はがれたラベルで穴をふさごうとして、「たまたま」同じようにはがれていた(?)私のラベルと取りちがえてしまったのではないだろうか。
 
 幸い、直書きされた住所のうち、肝心な部分はかろうじて避ける形で、穴があけられていたので、再配達は可能そうだった。
 
 中国の郵便局も昨今は優秀だ、とは思う。
 でも優秀で、そしてやっぱりアバウトなのである。
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大家さん@北京
 北京のアパートにはおそらく6年くらいは住んでいただろうと思う。
 北京で一か所にそれだけ長く住めるというのは、実はとても貴重なことだ。
 
 なにしろ家賃が高騰しまくるのである。前に住んでいた部屋は、2年足らずの間に、2000元(1元=約17円)から3800元まで上がった。その後、ほどなくしてさらに5500元まで上がるという高騰ぶりだ。
 北京五輪をはさんでいたのと、近くに有名小学校があり、ニーズが多いため家賃がうなぎのぼりだったこともあるが、多かれ少なかれ、どこも似たり寄ったりの状況だろう。
 
 おまけに日本のように借り手が手厚く保護されているわけではないので、大家さんの鶴の一声、たとえば息子が海外から戻ってきたので部屋を使いたいとか、売却したいとかいう理由で簡単に追い出される。
 少し前までは再開発にともなう取り壊しで追い出されるということもよくあった。
 
 そんな中で、相場よりも1000元近く安い家賃で貸してくれて、6年いても値上げはせいぜい200〜300元、加えて何かあれば遠方からすぐ来てくれるという大家さんは、本当にありがたかった。
 
 この大家さんは、ちゃきちゃきの江戸っ子ならぬ北京っ子で、30代女性だ。親からゆずりうけた部屋であるらしく、だんなさんと一緒に管理をしていた。
 一度、何かの事情でお金が入り用になったらしく、借金を申し込まれたことがあった。さすがにお金は貸せないので、家賃を前倒しで支払ったが、その後、ほどなくして双子のあかちゃんが生まれたことを考えると、不妊治療費のための費用だったのかもしれない。
 
 そして退去の際、私がすっかり忘れていた2000元のデポジットも「ちゃんと返さないと!」と言ってもってきてくれた上、私が交換した玄関の鍵の代金まで払ってくれた。
 これはもう、今の北京では奇跡のような話だ。
 
 それで、おしゃべりのついでに、次の人はどうするのかという話になった。
 このまま次の人を探すというのだが、さすがに90年代に建てられたあと、1度もリフォームをしていないので、タイルが落ちたり、壁にひびがはいったりと、だいぶガタがきている。
 
 私の知り合いで、マンションを10部屋持っている人は、内装に少しお金をかけて、高めの価格で賃貸に出しているので、その話をすると、「でも、内装も金かかるからなあ」とだんなさん。
 あまり乗り気ではなさそうな感じだったが、翌日、「やっぱり内装することにしたよ!」と電話がかかってきた。
 
 こういうとき、中国の人は即断即決即実行だ。「部屋の寸法はかりにいきたいんだけれど」と言うので、「いつ?」と聞けば、「明日!」。
 そこで「仕事もあるし引越しの荷物で部屋が溢れかえっているんだけどなあ」と返せば「全然、気にしないから!」。
 
 いや、そこは気にしてほしいところなんだけれどと思いつつ、承諾すると、翌日、業者をつれてやってきた大家さんは、その場で小一時間ばかりあれこれ討議をしていた。
 そこですっかり内装スイッチが入ってしまったらしい。
 
 その後も何度か唐突に連絡があり、中には「「今日これから行きたいけどいい?」と言われ、銀行から走って戻ったりもした。窓枠やらベランダやらをはかりながら、「ここをこう内装して、いくらで貸すんだ」という話にすっかり夢中だ。
 翌日は帰国という日に「今日これから行きたい!」と連絡があったときには、さすがに倒れそうになった。
 
 大家さんの名誉のために付け加えると、彼女は今の中国において、とても「きちんとした人」だと思う。
 毎回、部屋に来たときに、飲み物などを出すのだが手をつけず、いつも礼儀正しくしている。アポなし訪問も絶対にしない。
 20年選手の冷蔵庫が発熱して危ないと言えば、新しい冷蔵庫を買ってくれたこともある。
 
 以前の部屋では、使っていない期間の電話代を大家さんから請求されたこともあった。あるいは最初に借りた部屋の大家さんは、悪い人ではなかったが、ある種「典型的」な北京のおばさんで、私がためていた古新聞を、「処分しておいてあげるよー」と実に親切そうに回収し、ちゃっかり回収業者に売っていたということもあった。
 今の大家さんは、そういうことはまずしないタイプだ。
 
 ただちょっと内装のことでちょっと前のめり気味で、私はそれに振り回されてしまうのである。
 ともあれ、なんとか無事帰国。
 
 日本に戻ってから、中国版LINEの微信で、御礼と光熱費の支払いなどに問題なかったか確認のメッセージを送ると、「没問題〜」と返ってきたあと、「そうそう、ここにいたときの光熱費の領収書送って!」。
 それは前から言われていて、なんのことだろうと思っていたのだが、どうやら何かの手続きで、それがあると「得する」といった事情らしい。
 
 もっとも光熱費は私が支払ったものなので、その領収書を彼女に渡す必要はない。日本であれば、「ずうずうしい」ということになると思うのだが、ここは「言ってなんぼ」の中国である。
 
 「どのくらい必要なの?」と問えば、「過去の分全部」。「電気代だけでいい?」と聞くと、「電話どガスと水道も! 田中(ティエンジョン)ならなんでもとってあるでしょ」。
 それは確かにとってはあるが、過去の分といえば6年分だ。
 こういうとき、中国での人の付き合いとは、体力と気力の勝負的だとしみじみ思うのである。
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日中の銀行的文化考
 北京で、華夏銀行の口座を開いた。華夏銀行は北京の商業銀行だ。
 昨今、中国の銀行口座の預金を、海外のATMで引き出せるようになったが、その際の銀行手数料がけっこう高い。この華夏銀行はその中でおそらく北京では唯一、初回の手数料が無料になる。(もちろんATM使用料は別途かかる)
 
 そんなわけで口座を開いたのだが、中国で何のトラブルもなく口座を開けたことがない。
 ただ開くだけなら問題ないのだろうが、ネットバンキングの手続きがまずトラブる。さらに海外で利用するとなるとその手続きも必要だ。
 
 加えて、中国最大手ネットショッピングサイト「タオバオ」でも使えるようにしたかったのだが、こちらは1時間あれこれやったあげく、同時に登録する身分証が、中国人の身分証でなければ承認されないことが判明。
 
 ネットバンキングのほうは、登録後、銀行に置いてある端末で、念のため確認をしたところ、案の定、何度やってもカードが認証されない。
 フロア係は「入力を間違ったんじゃないですか?」とか「もう少し待ってみてから試してはどうですか?」と、さながら私のやり方が悪いといわんばかりである。
 
 おまけにUSBキーを何度もさしたりはずしたりさせられ、さすがに途中で切れた。
 「あなたに解決する能力がないなら、解決できる人をよんで!」とさけんだところ、年配の女性マネージャーがとんできた。そして画面を見て一言。
 「これ、カードの登録が間違っています」
 
 実は最初にICチップ入りのカードを発行されたのだが、これは海外では使えないということで、途中でICチップなしのカードに切り替えたという経緯があった。
 しかしネットバンキング用に登録されたカードは、最初のカードだったため、認証されなかったのだ。
 結局、2時ごろに行って、手続きが完了したのが、17時の営業終了直前だった。
 
 これだから中国の銀行は……と言いたいところだが、日本の某大手銀行でも、ネットバンキングの手続きをしたら、銀行側のミスで、すでにその銀行で開いていた古い口座のネットバンキングができなくなってしまったり、残高証明を取った時には「お近くの支店ですぐに発行できますよ」と言われたのに、実際は口座を開いた支店でなければ1週間以上かかったということもあったので、実のところどっちもどっちではないかという気がする。
 
 便利さという点でいえば、土日も午後5時まで営業している中国の銀行のほうが、便利といえば便利かもしれない。
 そして日本の銀行はひたすら謝るばかりで解決せず慇懃無礼であるのに対し、中国の銀行は簡単に謝罪などしないどころか客のせいにするかわりに、責任者が出てくると比較的一発で解決する。ただし、責任者を引っ張り出すまではバトルとなる。
 
 結局、銀行マンにかしずかれるほど大金持ちになれば、毎回、そんなトラブルでやきもきすることもないのかもしれないが、中国的にはそこまで大金持ちになったら、銀行なんぞにちまちま貯金はしないだろうとも思うのである。
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オフィスデポ@北京

 米オフィスデポが中国にも進出している。

 プリンターのインクの正規品ほかオフィス用品が比較的安くクオリティもまずまずで、一応オフィスデポということで安心感もあり、ときどきまとめ買いをしている。

 

 先日、在庫がまだたくさんあるインクを間違って購入してしまったときのこと。

 届いてすぐに気付き、サイトには「未開封であれば理由なく返品できます」とあったので、キャンセルを申し出たところ、「理由なくては返品できない」という。

 

 そこでしばらくすったもんだしたものの、最終的には返品を受けてつけてくれ、数日後には専属の配達スタッフが荷物をとりにきた。

 

 中国では客に非がある返品は(場合によっては客に非のない返品も)、もめにもめるので、それを考えると、なかなかすばやい対応だったと思う。

 だがそれから1カ月たっても金がない。

 

 オンライン払いだったため返金が遅くなるとは聞いていたが、あまりに音沙汰がないので連絡をしたところ、「返金の申し込みが必要」とのこと。

 「なぜ、商品を返却をした時点で言ってくれないのか」と、すったもんだすること再び。

 

 この時も結局、担当者がすぐにファックスで申し込みを送ってくれることになり、サインをして送り返すと、到着の確認の電話までご丁寧にかかってきた。

 

 やはり中国のサービスの中ではなかなかちゃんとしていると思うのだが、それから数日、いまだ返金されておらず、いつ返金されるかもわからない。

 

 電話をすれば調べてはくれるだろうが、それにしても電話しなければ何も動かないことを嘆くべきか、すれば動いてくれることをよろしいと考えるべきか。

 いずれにせよ、いったいいつになったら返金してもらえるのか、途方にくれているところである。 

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「古い口座は身分証確認をしないと凍結もありうる」通知、1年後。

 昨年初め、中国の銀行で2007年以前の口座を開いた者は銀行で身分証の確認を行わないと、口座の凍結もありうるという通知が出された。

 

 ニセの身分証で財産隠しをしている役人をあぶり出すためかと邪推されるこの措置。

 当時、北京では6月までに70%、年内にはすべて完了し、確認がとれないものは凍結するというなかなか仰々しい通知だった。

 

 私には2007年前に開設した通帳と、それ以降に開設したカードがある。

 そのうち銀行に行かなくちゃと思いつつ、すっかり忘れてしまっていたのだが、年明け、ATMで現金を引き出したした際に「身分証の確認を行ってください」というメッセージが表示された。

 

 前から表示されていたような気もするのだが、いつもあまり気にしていなかった。

 ともあれ凍結されては困るので、パスポートを持って銀行に行った。

 

 ところが窓口で身分証の確認に来たと告げると、窓口の青年はきょとんとした。

 「ほら、ATMで身分証確認しろって表示されて、凍結されたら困るから」というと、「ああ、それ!」と言ったお兄さん。

 「別に確認しなくてもどうってことないよ!」

 

 これぞ中国の「通知」のなれの果て。

 もっともそうやって甘くみていると、後でとんでもなく痛い目にあうこともゼロではないので、ガイジン的には通知はきちんと守るにこしたことはないのである。 

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