中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
ミニマム・セレブ@日本
 日本にいてしみじみ思うことは、中国がこの10年で劇的にかわったのに対し、日本はさして大きな変化はないようだということだ。
 
 もっとも行ったり来たりしていたので、変化という変化を感じられていないだけかもしれない。
 昼にテレビをつけて「いいとも」がないことに、改めて時の流れを感じつつ、借金過払いうんぬんのCMがよく流れるようになったことに、日本の「今」を軽く見る気がする。
 さしたるところ感じた変化はそのくらいだろうか。
 
 ただ逆に、ああ日本なのだなあと思ったのは、夜のテレビのセレブ特集で、20代のセレブ夫婦が住んでいるマンションが家賃20万円とかいうくだりだ。
 テレビなので、本当の「セレブ」は出てこないかもしれないが、そもそもセレブなのに賃貸に住んでいて、しかもその家賃が「たった」20万円であり、それが「セレブ」として番組になるということは、中国では「あり得ない」。
 
 当然ながら私は日本でも中国でも家賃20万円の家になぞ住めないのだけれども、それはさておき、まず第一に、中国でセレブは賃貸には住まない。
 というより一般庶民でも、持家がない者は「負け犬」とみなされると、家賃高騰のためにマンションを買いそこなった友人は嘆いていた。
 
 いまの中国の価値観には、勝ち組か負け組しかないようなところがある。
 人生そこそこの「そこそこ」を狙っていては、とてもではないが生きぬいていけないようなムードもある。
 あるいは「そこそこ」でいいやと思っていたら、周りがあっというまに稼ぐようになって、「そこそこ」どころか「どんぞこ」みたいなことも普通にあり得る。
 
 だから、セレブが賃貸に住んでセレブでいられ、「たかだか」100平米のマンションがセレブの部屋として紹介される日本のミニマム感は、この国の平穏さをそのまま物語っているように思うのである。
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