中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
落ちているものは私のもの@北京
 北京から東京に大量の荷物を郵送した際のこと。
 中国の郵便局では中身の確認があるので、自分で荷づくりをした段ボールも蓋をせずに持って行くのが原則だ。
 
 ある時、2、3箱をまとめてカートでひっぱっていったら、途中で雪崩を起こし、中の荷物を路上にぶちまけてしまった。
 それを詰め直し、郵便局にたどりついたところで、コートが1着とブーツが片方入っていないことに気付いた。
 
 連日の荷物出しでクタクタかつ朦朧としていたので、おそらくぶちまけた際に拾い忘れたのだろう。コートは日本で買ったわりといいものだったので、探しに戻ったんだが、この国では落し物が見つかることはまずない。
 案の定コートは見つからず、ただ、片方のブーツだけは道路にそのまま転がっていた。
 
 その数日後のこと。外出するために部屋を出ると、マンションの中庭に人形が落ちているのが目についた。見るからにちょっと高そうな人形だった。
 マンションの半分以上の住人が外国人ファミリーなので、彼らの子供が落としたのかもしれない。
 
 どこに届けたらいいんだろうと思っていると、清掃のおばさんが通りかかり、ささっと人形を拾った。
 そして向こうで掃除をしていた別の清掃おばさんに「これ、あんたのところの孫にちょうどいいんじゃない」と声をかける。
 
 声をかけられたおばさんは「あら、ほんと。ちょうどいいわ」と、至極当然のように人形を受け取った。
 
 なるほどこうして落し物はあっという間に消えるのだ。
 私のコートも、おそらく全く悪気はなく、「あらこれいいわ」と誰かがもっていったんだろうと思うと、針の1000本でも仕込んでおけばよかったという気になるのである。
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