中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
トウキョウ自転車ロード
 東京の下町でレンタルした自転車に乗った。日本で自転車に乗るのは、実に20年ぶりくらいだろうか。
 北京では自転車は必需品で、愛用していたので、走ることじたいに問題はないのだが、困ったのは、東京には自転車道がないということだ。
 
 北京ではどこを走っていても、車道と歩道の間に自転車道がある。
 東京では車道を走るべきか、歩道を走るべきかと迷い、とりあえず、歩道は怖くて走れないので、北京の習慣で、車道の右はじを走った。
 するとちょうど交番があり、おまわりさんに「左側を走りましょう」と指導された。
 
 そこで左側に移動すると、ほどなくして急な登り坂があった。
 北京の道は概ね平らで、坂を自転車で登るというのも実に20年ぶりくらいだ。幸いレンタルした自転車は電動アシストなので、スイスイとのぼれる。
 
 これは楽ちん、と思ったら、次は崖のような下り坂。道の先は階段になっていた。
 自転車を降りておもわず途方に暮れる。
 
 北京なら階段には、自転車用のスロープがついていて、そのまま通ることができる。
 しかし今、目の前にあるのは、絶壁のような階段のみで、重い電動アシストの自転車をかかえて降りることはできない。
 
 仕方ないので、いったん路地を引き返し、別の路地に入る。
 ここでさらに困ったのは、東京の路地は複雑にカーブを描き入り組んでいるということだ。
 
 北京の胡同もときどき行き止まりなどあるが、基本的には碁盤の目なので、東にまっすぐ走っているつもりが、いつの間にか正面に太陽がのぼっているということはない。
 
 おまけに道を聞こうにも、住宅街の路地裏は静まり返っていて、人の気配がない。
 これが北京の胡同であれば、昼寝時以外、おじさんおばさんたちが道端に椅子をひっぱりだして、おしゃべりをしたり、ぼーっとしたり、囲碁をしたりしているので、誰かに道を聞くことが可能だ。
 
 その回答が必ずしも正しいとは限らないのが北京流だが、誰もいなくてどうにも困るということはまずない。
 
 結局、さんざん迷いに迷い、3キロの道のりを、40分かけても目的地にたどりつけず、途中、自分がどこにいるのかもわからなくなり、あやうく遭難しかけた。
 ようやく見覚えのある場所に出たときには涙が出そうだった。
 北京がちょっだけ恋しくなった
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