中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
店頭の季節感

 コンビニで、ジャック・オー・ランタンのシールがはられた商品や、ハロウィングッズが並んでいる。

 ずいぶん気がはやい話だと思いながらも、なんとなく、「もうそんな季節なんだな」という気分になる。

 

 東京にいるとそんな風に、店頭の商戦に、季節を感じることが多い気がする。

 バレンタインやクリスマスもしかり。

 さらにはスーパーに並ぶお手軽な正月飾り、ひな祭りのおかし、節分の恵方巻、土用の丑の日のウナギなど、とにかくめまぐるしく季節の「イベント商品」が店頭に並ぶ。

 

 思えば北京でも、東京ほど頻繁ではないけれど、ショッピングモールやスーパーマーケットの店頭で、季節を感じることはあった。

 秋に派手派手しい月餅コーナーが出現すれば、「ああ、中秋節か」と思うし、春節グッズやら贈答用品やらが並び始めれば、「いよいよ新年だなあ」という気分になった。

 

 あるいは、クリスマスが近づくと、大型ショッピングモールにツリーが飾られるだけでなく、ローカルの小さな店のドアにまで、同じような赤ら顔のサンタクロースのシールがはられ、ずいぶんクリスマスムードが盛り上がる。

 

 ただ、北京の店頭に感じる季節感と、東京のそれは、違う気がする。

 何が違うのだろうと考えると、東京のそれが、「仕掛け」の中の季節感であるのに対し、北京のそれは、背景に人と人のつながりやコミュニケーションがあり、そこに季節を感じていたように思う。

 

 例えば、中秋節には「ああ、今年もまた、家族や仲間で集まり、月餅を送りあって人間関係を温めあうんだろうな」とか、春節には「地方出身の人たちは、大量にお土産買い込んで、故郷に帰るんだろうなあ」などと、店頭から思いをはせるところに、季節感があった。

 

 クリスマスは改革開放以降の新しい「イベント」で、イブ(平安夜)には「平安(ピンアン)」と「苹果(ピングオ)=リンゴ」をかけて、リンゴを贈り合うという習慣がいつのころからか生まれた。

 そして、赤い皮に「平安」などの文字を白抜きしたリンゴが大量に出回り、一大商戦が展開するのだが、それもまた、そうした人と人のつながりに季節を感じた。

 

 これは、人間関係を重視する中国ならでは季節感かもしれない。

 でもそれだけでなく、社会が成熟すると、季節の感じ方もかわっていくように思う。

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