中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
長い解説と働き方改革について思うこと

 今度、北京でお世話になった年配の中国人が来日するということで、航空券などを私が手配することになった。

 行く先は日本の地方都市で、北京からの直行便がない。

 

 中国の地方都市で一度飛行機を降り、そこで、出国手続きをとって、もう一度同じ飛行機に乗り、日本に向かうという経由便となる。

 

 くだんの年配の方は、これまで何度か海外に出たこともあるものの、おそらくこの種の経由便は利用したことがないだろう。

 どう説明しようと思案して、チケットの手配を頼んだ北京の旅行会社の知人に聞いてみたら、「出国手続きは経由都市で、北京で預けた荷物はそのまま日本まで、と伝えればよい」と返ってきた。

 

 しかしこれでは、初めての人にはシンプルすぎて、わからないのではないだろうか。

 そう思い、結局、先方の年配者には、経由便なので、出国手続きは経由する地方都市で行うこと、したがって、北京では出国手続きがなく、国内線の搭乗口から飛行機にのること、地方都市についたら手荷物をもっていったん飛行機を降り、出国手続きを行うこと、そして、再び同じ飛行機にのって日本に向かうこと、預けた荷物は日本までそのままでいいこと、を伝えた。

 

 すると、返事は一言、「要するに北京の空港では搭乗券もらうだけってことだな!」

 つまり、それだけ説明して、あとはカウンターで確認してと言えばよかったかもしれない。

 

 それでふと、日本の分厚いマニュアルと、中国のペラペラの説明書を思い出した。

 日本は、微に入り細を穿ち、あらゆる事態に備え、先回りしていろいろ準備する。

 対する、中国は要点だけ、あとはやってみてからわからなかったら聞けばいい、というか、自分で工夫してやって、というくらいのスタンスだ。

 

 これは、働き方のスタンスにも通じるところがあると思う。

 日本的な働き方は、いろいろ先回りして準備して、一歩一歩着実に進んでいく。反対に中国は、トライ&エラーを繰り返しながら、ざっくりまとめあげていくようなところがある。

 

 昨今、日本でも中国でも、長時間労働による過労死や自殺が問題になっているが、中国の場合は、工場の労働者の自殺でも、デスクワークの社員や企業家の過労死でも、いずれも発展途上の過剰なまでの競争がもたらした結果という印象がある。

 

 一方、日本の場合は、いろいろなものがじり貧になり、元手も人手も減るなかで、従来の働き方を維持しようとしていることに加え、何かこう、間違ってはいけないから、間違わないように手を尽くさなくてはいけないといった真面目さがもたらしているような部分があるのではないかという気がしてならない。

 

 日本人が、微に入り細を穿つような働き方をやめて、いきあたりばったり、もとい、問題は起きたら突破するくらいの気構えと、間違ったらまあそのとき軌道修正すればいいくらいの気軽さで、仕事をするようにしたら、少しはゆとりも出るのではないだろうか。

 

 と、思ったのだが、中国では、ときどき、日本では考えられないような、どひゃっというほど、とんでもないエラーが起きる。そして、それを軌道修正するのに、無駄な時間を費やすことになる。

 

 そう考えると、石橋を三回くらい叩いてわたる働き方のほうが、結果的には効率がよいと言えなくもない。

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