中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
成功の価値観

 遅ればせながらあけましておめでとうございます!

 本年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

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 年末、テレビの特番を見ながら、日本では経験を積み、蓄積を重ねて、苦労の末に大成するといった成功パターンが好まれるのだなと、改めて思うことがあった。

 アイデア勝負で勝つ!みたいな話でも、その裏には開発に苦労したエピソードがあったりして、なんというか、目先の利益に飛びついて、手軽にぱぱっと成功したらいけないような感じさえする。

 

 一方、中国では、とかくビジネスチャンスに貪欲で、儲け産業には、イナゴの大群のごとく、人が群がる。

 規制があっても、その規制をいかにかいくぐるかを熱心に研究しあい、必ずなんらかの道を見つける。そして「それってグレーじゃないの?」と思うようなことでも、儲けてなんぼでガンガン食い込む。

 

 もちろん、たぐいまれなビジネスセンスと信念を持ち合わせ、偉業を成し遂げる人は尊敬されるけれど、多くの一般庶民はおしなべて単純明快だと感じる。

 そして、そんなお国柄のせいか、いまひとつ成功しないタイプには、やたらとあっちこっちに気移りをして、結局、何も成していない人が多い気がする。

 

 それを、日本的感覚で批評すれば、「ろくに経験もないのに、短絡的に金儲けしようとしたからだ」、というふうになるだろう。

 でも、中国の人と話をしていると、あながち、未経験で短絡的だから失敗したとは考えていない。総じて言えば、「目先のビジネスチャンスを、一気に実現するだけの能力に欠ける」、ということになるだろうか。

 

 そして、この能力には、おそらく人脈をうまく使う能力も含まれる。自分に経験がなければかわりにできる人を、自分に金がなければ、資金を投じてくれる人を、ひっぱってくる能力をうまく活用できることも、成功の秘訣みたいなところがあるからだ。

 

 それにしても、隣国同士で、なぜ、これほどまでに成功の価値観が違うのか。一つには、歴史が関係しているのかもしれない。日本の場合、一般庶民にとって、社会や個人の価値観が180度ひっくりかえるような大転換はそれほど多くなかっただろう。

 

 対する中国は、王朝が変わればすべてがひっくり返るような歴史の中で、価値観も大転換したはずだ。従来、じっくり蓄積することは難しかっただろうと思う。

 

 だからこそ、日本人にとって、「じっくり蓄積」が、成功をもたらす宝であるように、中国の人にとっては、めげないパワフルさと、なんだかんだいってちゃっかりうまくやってしまうしたたかさは、かの国で生き延びるための大事な財産であるのかもしれない。

 

 と、思うのだが、年末、たまたまひょんなことで、中国の人と一緒に仕事をしたときのこと。やたらと目先のもの(と、私には見えるもの)に手を出すそうする相手に、思わず「一歩一歩着実にやりましょうよ」と意見して、今更ながら、自分が日本人以外のものになれそうもないことを実感した。

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