中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
プレミアムフライデーと日本人の「まじめ力」と中国人の「勝手力」

 プレミアムフライデーのニュースをみていて、ふと思った。

 プレミアムフライデーに、真面目に3時退社していては、たぶん、日本人の働き方は変わらないのではないかと。

 

 私のまわりには、大企業勤めの人が極端に少なく、プレミアムフライデーに3時退社したという人はいないし、そういう話も聞かないので、じっさい、どれくらいの人がプレミアムフライデーを楽しんだのか、実感としてわからない。

 

 けれど、テレビのニュースで、ちゃんと早く帰ってお買い物したり、イベントを楽しんだり、「これから温泉行ってきます」などといって、盛り上がっている(あるいは盛り上がろうとしている)人々の様子を見ていると、あらためて、日本人はまじめだなあと感じた。

 

 これが中国の場合であれば、と考えてみる。

 おかみが「いっせいに3時早退しましょう〜」と言っても、現実問題として、そんなゆとり社会ではないから、役所や一部の大手企業は同調したふりはするかもしれないけれど、一般庶民は「どうせ、下々のことはよくご存じないおかみのたわごと」としてスルーするのではないだろうか。(休んだら金もらえる、というのであれば、喜んで休むだろうけれど)

 

 でも、日本人は(一部かもしれないけれど)、ちゃんと仕事をやりくりして3時退社していて、しかもあながち「やらせ映像」ではなさそうだ。

 それらを見ていると、日本人が働きすぎなのは、こんな風に早く帰る日を決めて、みんなでいっせいに休みましょう的なまじめさに起因しているのではないか、と思ってしまった。

 

 日本で仕事をしていると、日本人のやり方は本当にきめ細やかだと思う。一つ一つ、着実に進めて、ミスはあまりないし、逆にミスをしたらすごい怒られる。

 一方、中国の人と仕事をしていると、過程の段階では、ミスは多いし、いいかげんだし、最終形態が見えないし、もう、それはそれは、胃に穴があくほどやきもきする。

 でも、最終段階でいきなり、どーんっとものすごい力を発揮して、意外にもなんとかなってしまう。(ことが、少なくない)

 

 こういうとき、腹はたつけど、「中国の人は偉大だな」と思うのは、「これをきちんとしないと、相手に迷惑かけちゃうかも」という心配をちっともしないことだ。(たぶん「成果をださないと、自分が不利益を被る」、というストレスはあるかもしれないが)

 

 そして、最後に「ほらこれやったから、これでいいでしょ」的な感じで成果物が出てくる。「ご心配おかけしました」とか「ぎりぎりになってしまい申し訳ございません」的な配慮など、あるわけもない。

 勝手といえば勝手なのだが、あながち、まじめに、怒られないように、ちゃんとやるだけが「正解」ではないなと思う。

 

 もちろん、中国は広いので、いろいろな人がいる。「まかせとけ」といって、まったくまかせられないいい加減な人も少なくない。

 また、効率的という点でいえば、どひゃっというほどエラー噴出しまくりの中国式より、着実に進める日本式のほうが「優れて」いるかもしれない。

 ただ、中国的な「勝手力」が生み出すパワーは大きい。

 

 日本人が中国人化したらいいとは、まったく思わないけれど、プレミアムフライデーに、仕事先(お客様)に迷惑かけないよう配慮しながら、がんばってまじめに早退するくらいなら、みんながもう少しだけ「勝手」をやったほうが、働き方の改革にもなるのではないか、と思ったりもする。

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