中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
北京の銀行でパスポート番号を変更する、その後

 先日、1年ちょっとぶりに、北京に行った。

 この1年、飼い猫1がリンパ腫になり生死をさまよったのち奇跡的に復活するも、自分の乳がんが発覚、チャッチャッと切って退院したら、今度は飼い猫2が重度の腎不全であわや天に召されかけ、なんとかもちなおしたのもつかのま、続いて母親が重度の心不全で入院、父親に軽度の認知症が見つかり、二人とも老人ホームへ転居、その手続きを私が一手に担うことになり、その後も実家の片づけ、リフォーム、賃貸手続きとノンストップで、全然、北京に行く余裕がなかった。

 

 次から次へと飛んでくるトラブルを打ち返しているうち、心が腐ってもげそうになり、あるとき、いつも利用していた海南航空のページで、10月の北京行きのチケットをポチるところを妄想しつつ楽しんでいたら、うっかり本当にポチってしまった。

 ということで先日、ちょっと無理を押して、久しぶりに北京に行ってきた。

 

 でも、日数はたった3日。それも明け方に北京に着いて、次の次の日の真夜中に東京に戻るというスケジュールで、その間にいくつかの用事を済ませ、武術を習い、友人にも会わねばならない。

 その用事の一つが、北京の工商銀行でパスポート番号を変更するというミッションである。

 

 1年前、パスポートの更新にともない、北京の銀行へ、口座に登録したパスポート番号を変更しに行ったところ、カラの定期預金の通帳を持参していなかったため、変更できないと言われた。

 すったもんだしてねばったもののどうしてもだめで、結局、その時は断念せざるをえなかった。

 

 今回はそのリベンジで、探しておいた定期預金の通帳と新旧のパスポートに銀行カード持参という万全の準備で、いつものなじみの工商銀行に向かった。

 時間がないので、すみやかにおわらせたいのだが、とかくすんなり行かないのが北京の銀行である。行く前から緊張して、吐きそう。

 

 まず、総合案内で要件を聞かれ、パスポート番号の変更を告げる。受付の若い女性は、ちょっと困った感じで一瞬固まり、トランシーバーでどこかに問い合わせをしている。

 「いやいや、前回、定期の通帳がなくて手続きできなかっただけだから」と、窓口に案内してもらおうと思っても、「ちょっとお待ちください」と足止めされ、待つこと数分。

 

 しばらくして、「パスポートは新しいのと古いの両方もっていますか?」と確認され、「もっていますとも!」と即答。

 パスポートを見せるように言われ、差し出すと、パラパラめくっていたお姉さんの手が止まる。

 「ビザは?」と問うので、1週間以内の滞在なのでビザはない旨をつげたところ、またどこかにトランシーバーで問い合わせている。

 

 おそらくなのだが、近年、滞在ビザがないと、そもそも銀行口座を開くことができないようなので、その関係で確認が必要なのかもしれない。

 どきどきして待っていると、ほどなくして、「どうぞ」と無事に番号札を渡してくれた。

 

 さあ、これでようやくミッション完了か、と思いきや、今度は窓口で、係員のお姉さんがパラパラとパスポートをめくり、手を止めた。

 「ビザは?」

 「だから1週間以内の滞在で〜」と、同じ答えを繰り返すと、お姉さんは隣のブースの係員に、「ねえ、これって、できるんだっけ?」と聞いている。

 「いや、できるから! いま、受け付けで聞いてもらってオッケーだったから!」と言ったら、ガラス張りの係員側の音がこちらに聞こえないよう、お姉さんは手元のマイクのスイッチを切った。

 

 でもこちら側の音は向こうに聞こえるはずので、「確認して! 大丈夫なはずだから!」と言い続ける。

 すると、ブースの奥にいた責任者らしき年配の女性がやってきて、窓口のお姉さんに何か話をしている。

 やがて、マイクのスイッチが入る音がして、お姉さん曰く、「手続きできるようです」。

 「だからできるって言ったんじゃん!」という言葉を飲み込み、粛々と手続きを待っていると、10分ほどで完了。

 こうしてようやく、1年越しのミッションを達成することができた。

 

 その後、北京在住の友人にこの話をしたら、「外国人慣れしている銀行なら、手続きはやいよ」とのこと。確かに、私がいつも行く銀行は、外国人率の低い胡同(フートン)内のローカルな工商銀行である。

 次にパスポートを更新する10年後は、どこの銀行支店もフラットなサービスになっているだろうかと思いつつ、結局、なじみのローカルな工商銀行でやはりすったもんだしていそうな気がする。

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