中国在住10年を経て帰国。
中国、という日本とは違った視点で、
日本をあれこれ考えてみる、
日中文化考ブログ by 田中奈美
北京でデジタルテレビ放送
(メルマガ11月22日号より)
 インフラ大近代化を進める中国では、テレビも2015年までにデジタル化される(予定)。

 おりしも、私の住む団地もデジタル化を開始。デジタルセットトップボックスが無料配布された。

 中国はいくつかの都市で試験的にデジタル化を展開している。北京では、オリンピックのデジタル放送に向け、2007年までに450万世帯を全デジタル化するという。

 本来、2004年の時点で北京の中心となる8地区に12億5000元(約180億円)を投じて、デジタル化を進めるはずだった。

 資金は北京でデジタル化を担当する歌華有線が発行する転換社債券をあてるということだったが、計画が紙の上のものだけであるのはいつものことで、順調には進んでいない。

 日本円で1万円近くするデジタルセットトップボックスの無料配布は、地方政府にとってもメーカーにとっても金銭的に重い問題だ。しかしさりとて、無料で配布しなければ、デジタル化の普及は進まない。

 そんな次第で、デジタル化した我が家のテレビだが、テレビ自体デジタル対応ではないため、有難みはあまりない。
 メニューがいろいろあって多機能になり、番組を見ながら次の番組を検索できるようになった程度。

 テレビ以外の機能もあり、ゲームもできるが、こちらはまだ3種だけで、1つはなぜか「テトリス」だった。

 そもそも中国はテレビ番組が面白くないから、みな海賊版DVDに走るのだ。そのテレビをデジタル化してどうなるのか。

 それでもアメリカもヨーロッパも、日本も韓国もデジタル化を薦めるなか、中国もデジタル化対応の技術を開発してゆかなければ、映像機器の輸出にも響くだろう。このへんのお国事情は、日本と変わらないかもしれない。

 ただ、日本以上に、インターネット層が急速に発達する中国では、今後、大型のハイビジョンテレビでデジタル映像を便利に使いこなす中・高所得者層の若い世代は、むしろネットに移行し、ますます、テレビを見なくなるだろう。

 町中のネットカフェは、チャットしながらゲームをし、ダウンロードした映画やテレビ番組を見たりしている若者たちで、いつも夜遅くまで混みあっている。
 無線LANを搭載したオシャレ系カフェでは、持参のノートパソコンで映画を見ているカップルたちもいる。

 そもそも20代後半から30代の忙しく働く人々に、テレビをのんびり見ている暇があるとも思えない。
 その分、会社でネットを見たほうが、よほど情報を得ることができる。

 巨大な面積と人口に所得格差、くわえてテレビ文化が発展途上のまま、パソコンもインターネットも携帯も一気に来てしまった中国では、デジタル放送の行く末はなかなか暗い。

 今のところ、視聴料の通知はないが、ネットで見る限り、これまでの有線テレビ代+デジタル化18元でおそらく40元(約600円、実感4000円)弱。ぐんと値上がりそうな予感だ。

 デジタルセットトップボックスをもらった大家のおじさんは、「料金? わかんないけど変わんないだろ?」とほくほくしていたが、タダほど高いものはないのである。

今週号の目次
[今週のニュース・ガオガオ]
  ○中国医学クラッシュ
  ○処女幕権利
  ○モーターショーとオリンピック交通
[中国メディア産業] 北京でデジタルテレビ放送
[サバイバー・サバイバー] 棚にあって売れない商品@郵便局
[今週のブラボー・あとがき] 棗蒸しパン
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 4月に我が団地の中庭でこんなものが配られた。 [[attached(1)]]  趣旨はこうだ。「これを無料で取り付けてあげます。でもそれは3カ月だけ。その後は有料よ。でもホントいいから見て!」。この機械、正式名称を「デジタルセットトップボックス」(STBなんて略され
| みどりの果敢な北京生活 | 2007/09/17 12:15 |
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